大相撲を観るのが好きな人には、力士の取り組みをただ観るだけではなく、たまには別の角度から観ることもおすすめします。例えば、TVに映る客席も観てみましょう。客席にはいろいろな人がいます。中には有名人も座っていることがあるのです。有名人の中にも大相撲ファンはたくさんいます。あの人も大相撲ファンだったのかというように、親近感が湧いてくることでしょう。
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それから、様々なスタッフの様子を観てみるのもおすすめです。引退した力士が親方見習いとして作業着のようなものを着て立っていることもあります。いつの間に引退したのだろうと不思議に思うような人が見つかるかもしれません。それに、細かなスタッフたちの動きから、大相撲に関わる人の多さに驚かされることもあります。下働きの人たちの苦労も目にすることができます。
他には力士たちの髷やまわしなどにも、毎回、多少の違いがあるので注目してみましょう。表情にも毎日違いがあります。その時の取り組みごとに緊張感の伝わり方も違ってくるものです。だんだん大相撲観戦に慣れてくると、どの力士はどのような表情をするというように性格なども垣間見られるようになります。そうすることで、さらにファン度も増してくることでしょう。
このように、細かなところまでしっかりと観戦するとさらに大相撲が楽しくなります。
大相撲のニュースや中継を見ていると、横綱審議委員と呼ばれている人が本場所を観戦していたり、記者から現役横綱の言動についてコメントを求められている光景をしばしば目にします。彼らが属している横綱審議委員会は、日本相撲協会の諮問機関として1950年に発足した組織です。この委員会ができるまでは吉田司家が横綱免許授与、つまり昇進の可否に関わっていましたが、発足後はこの委員会での審議を経て、日本相撲協会の理事会が開催されて横綱の昇進が決まるようになり、現在に至っています。
横綱審議委員会では、昇進の審査以外にも横綱に関わるさまざまな事項を扱っています。もし、ある横綱が本場所での成績が振るわなかったり、休場が続いている場合や、土俵外での言動に問題が発生した場合は委員会の会合で取り上げられ、決議事項が生じた場合は出席委員の3分の2以上が同意すると成立します。
内規に基づく決議事項は激励・注意・引退勧告の3種類ですが、時には他の内容で決議されることがあります。決議内容は拘束力が無く、横綱が納得できない場合は従わなくても良いものではありますが、過去に対象となった横綱はみな委員会の意見を尊重し、その後行動に移しています。
大相撲と言えば大柄な力士同士の迫力あるぶつかり合いが魅力の一つですが、それ以外に小兵力士が大柄な力士を翻弄する様子を目にするのも見どころです。
古くは1990年台に「技のデパート」と呼ばれ活躍した舞の海や教師から力士になったことで話題を集めた智ノ花のような力士がいて、曙や武蔵丸などのハワイ出身の巨漢力士の背後を取って送り出したり、蛙掛けのように足を掴んで転ばせる取り口に多くの相撲ファンが歓喜したものでした。
その後も彼らの系譜を受け継ぐ小兵力士は数々出現しており、近年では横綱の白鵬もその実力に注目している炎鵬が活躍しています。
このように小兵力士はどの時代にも必ず存在し、いずれも多くのファンから応援されていたわけですが、その背景には日本ならではの判官贔屓の精神があるのではないでしょうか。
判官贔屓というのは、平安末期に兄である源頼朝にその実力を恐れられ、平家討伐という大功を立てながらも追われる身となった源義経を人々が哀れんで密かに逃亡を手助けしたという故事に因んで、第三者が弱者を応援したくなる心情を意味します。日本人の多くが小兵力士を応援したくなるのも、まさに大きな相手に立ち向かう彼らの姿勢が義経を彷彿とさせ、何とか勝たせてやりたいという気持ちがふつふつと湧き上がってくるためかもしれません。
故事と絡めて小兵力士を応援してみると、より大相撲を楽しんで観戦できるようになるに違いありません。