2019年の大相撲は、日本人横綱として期待されていた稀勢の里が初場所そうそう引退を発表するなど、波乱の幕開けとなりました。初場所では横綱の白鵬と鶴竜が相次いで休場を決め、その穴を埋める責務を負った大関の豪栄道と高安も元気がないありさま。
優勝したのはモンゴル出身の関脇・玉鷲でした。やっとつかんだ優勝だけに、喜びも大きかったことでしょう。「長年にわたって上位を維持してきた功績」もさることながら、2004年の初土俵以降1度も休場がないことは特筆すべきことです。というのも、力士の体格がしだいに大きくなり体重が重くなったことに比例して、故障に苦しむ力士もまた増えているからです。
戦国時代の様相を呈してきた大相撲は、世代交代の時期に入ったといえるでしょう。2018年の11月場所では、小結・貴景勝が初優勝を果たし、大いに盛り上がりました。また、ここぞというときに見事な活躍をみせる御嶽海や北勝富士、阿武咲ら若手ホープにも期待がかかります。女性に圧倒的な人気を誇る遠藤に気迫が備われば優勝も夢ではないでしょう。
また、朝乃山や雷電、明生など、伸びざかりの若手も続々と登場してきています。どんな若武者が天下を統一するか予測がつかない状況です。ますます面白くなった大相撲から目が話せません。