怪我人続出 大相撲界

膝の故障

近年、大相撲の力士が怪我で本場所を途中休場するケースが増えてきました。休場はしなくてもテーピングを膝や肘にガチガチに巻いて出場する力士の姿は見ている私達にも痛みが伝わってきます。なぜこんなに怪我をする力士が増えたのでしょうか。理由はいくつか挙げられます。まず一つに力士が巨大化してきたことです。2019年初場所前の計量で幕内力士の平均体重は166.2キロと過去最高を記録しています。取組で押し出されて勢いよく落ちたり、上から160kgの力士に覆いかぶさられたりしたら膝には体重の何倍もの負担がかかってしまい前十字靭帯断裂などの大怪我になりかねません。

また、大相撲ブームで本場所後の地方巡業が増えたことで力士の休養や治療時間が十分に取れなくなったことも怪我の増加の一因と言えます。そして、トレーニングの近代化が怪我の増加に繋がったと考える相撲関係者もいます。以前は、四股を踏むトレーニングが中心でそれによってしなやかで柔軟な下半身を作ってきたと言われてきました。

しかし、現在ではジムでのウェイト・トレーニングが主流となり筋力はつくが、その筋肉にはしなやかさや柔軟さがなくなり大きな怪我が増えたと指摘されています。力士の体調管理や稽古時間を充実させるためにも、日本相撲協会は過密日程の調整や公傷制度の復活など待遇面を抜本的に改革する時期にきているのではないでしょうか。

Category